実は当寺も被災してしまった今回の熊本大地震は、様々なところで問題を引き起こしております。その一つに、お墓の倒壊問題があると思います。
お墓は石で出来ているので、普段はとても長持ちする素晴らしいものなのですが、石造りのものは地震には相当弱いのです。日本は地震が多い国なので石造りの家がほとんどないのもその為です。
壊れたものは元に戻したい!
当然、お墓でもそう願う方が沢山おられます。問題は、その方法による費用的なものでしょう。今回熊本大地震で先祖代々からお預かりしている大切なお墓が倒壊して困っているという状態ですが、一番厄介な事は、周りも含めて同時に沢山の人が同じ状態になっているということです。
お墓の倒壊が同時に多数というのが、なぜ問題なのか?
1.復旧してくださる石材屋さんが手が空かずなかなか直してもらえない。
2.被災しているので費用もないのに、見積もりが想像以上に費用が高い。
3.倒壊で困ったお寺やお墓の関係者から修復の催促をされる。
当寺も倒れた灯篭やお墓などをほぼ元通りに修復させていただいたので言えるのですが、石材屋さん次第でまったく見積もりが違います。よくよく評判を聞いて信頼できるところにお願いしたいところです。
具体的にお墓を直すという前提の話だったら?
1.信頼できる石材屋さんおよびお墓を建てた石材屋さんに連絡します
2.現地で立ち会って細かいところまで被害を双方で確認します
3.見積もりや予算による修復程度の調整します
4.実際の修復作業開始(傷が残る程度なのか、壊れた部分を交換するのかでだいぶ違います)
5.無事お墓の修復完了です
という順序になります。
壊れたお墓を接着剤で固定しなおす程度であれば通常は5万円前後です。ただし、人力だけでは出来ない場合や複数人を必要とする、破損箇所が多いなど、状況によっていくらでも変わる部分があるので注意が必要です。
実際に倒壊したお墓を直した当寺が思ったことが一つあります。石材屋さんによって修復の技術がかなり違うという事実です。当寺は幸いとても腕の良い石材屋さんでしたので壊れた石の繋ぎ目などが目立たない加工をしていただいたおります。
いつもお参りするお墓ですから、見たときに気にならないような修復をしてくれるとなおいいですね。近頃は耐震工事を施してくれる石材屋さんも増えてきていますので、心配な方はそういった事も考えてお願いすると良いかもしれません。
あとは、お墓の近くに住んでいない、修復する費用もない、お寺付き合いを軽くしたい等で墓じまいを選択する事もあるようです。お墓は見栄を張りたいという方でもなければ、形や大きさにこだわる必要はありません。
本当に大事なことがあるとすれば、お参りしている人がどんな気持ちでお参りしているかです。お墓が立派でも感謝の気持ちが起きないようなお墓でしたら、それはよいご供養ができているとは言えないのです。良いご供養は、関係者の心を明るく豊かにします。
事情があって実際に墓じまいするには?
1.お寺や霊園に墓じまいの意向を示します
2.新しい受け入れ先にご遺骨を預ける意向を示します
2.石材屋さんにお墓の撤去をお願いします
4.実際に新しいところに引越し完了
墓じまいをする時の注意点ですが、お寺に墓じまいの事を話すと離壇料ということを言われることがあります。これは、時代の変化で先祖代々のお墓の側に住んでいないという方が増えて、墓じまいする人が多くなったから言われるようになったものです。
法的には離壇料などという契約は交わしておりませんので根拠のあるものではないのです。よって道義的に、お世話になったからお礼する程度が妥当だと思います。中には離壇料で数百万円請求するところなどもあるそうですが、そういう時には弁護士さんにご相談されると妥当な金額に調整してくれます。
ちなみに当寺には離壇料はありません。どなたでも自由に来てくださって、事情があれば自由に移してくださって結構です。
新しく永代供養などがあるお寺に移される際に改宗を求めたり、戒名の付け替えを求めたり、お寺ごとに別途対応が必要なことがあります。永代供養などの費用面だけで選ぶのではなくお寺の住職の人柄などもよく調べておくとよいと思います。お寺の仕事は値段に決まりはありません。そこの住職の考え方そのものが追加費用となっているのが実情ですので信頼できる人の良い住職だと費用面も含め快く相談に乗ってくれます。
お墓の撤去に関してですが、実際に石材屋さんにどのようにお墓を撤去するのか聞いてみました。基本は細かく粉砕して問題がない状態で処分するとのことでした。細かく粉砕するのに手間がいるのでそれなりの費用がかかってしまうのは仕方がないですね。参考までに大きさによりますが一基20万円から50万円程度のようです。
熊本でお墓の問題を相談する人がいないという方に
被災された方々の大半は経済的に余裕がない方々です。お墓の修復、撤去などといっても自宅の修復する目処が立たない状況では見積もりを取って話を前に進められる状態ではないようです。
震災直後は、被災地に大量にボランティアに来ていた石材屋さんが自社の経済的負担が重過ぎてほとんどいなくなったという実情があります。今でも現地でボランティアに近い事をしている石材屋さんは数えるほどしかいないと言われています。
というわけで熊本地震のお墓の修復や墓じまいで困っている方々にとても親切なところをご紹介いたします。
〇 あらき石材
地震関連記事のブログ
http://www.arakisekizai.com/weblog
熊本地震で壊れたお墓の修復についてブログで丁寧に説明しておられます。実際の修復光景などの写真も沢山ありますので、具体的な修復のイメージもしやすいと思います。お近くにお住みの方なら相談してみると良いかもしれません。
〇 田代石材工業
所在地 〒869-2503 熊本県阿蘇郡小国町下城73
TEL:0967-46-2604
2016/12/10現在で石材店としては営業を停止しています。現在は木工加工のお店になっておりますのでご注意ください。
当寺と長く付き合っている地元の石材屋さんです。今でも被災直後と変わらず益城などでボランティア的な活動している数少ない石材屋さんですのでこっそりお伝えしたいと思います。(社長さん一人でがんばっています)被災地で困っているという方は相談してみると良いかもしれません。スタッフは多いところではありませんのでお問い合わせの際には注意が必要です。
http://www.yamanostone.co.jp/
アノヨコノヨ(福岡で一番人気の永代供養情報サイト)
http://www.anoyo-konoyo.net/
こちらは当寺のお墓や灯篭を実際に修復してくださった石材屋さんです。仕事は博多の職人といわれるほどこだわり抜いたとても良い仕事をされます。他地区からでも腕の良い職人にお願いしたいと思われる方にお奨めです。実際に同業者からの紹介で熊本県の修復の仕事もなさっておられます。お墓の専門家である山野石材さんが発信する永代供養の情報は、永代供養の事をを調べている人は一見の価値ありです。
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