人工知能やロボットが仕事をする時代の仏教

急速に発達する技術によって人工知能やロボットの分野の技術革新が進んでいます。
今日本人が行っている仕事も49%は人工知能やロボットで置き換えが可能となるかもしれないという推計結果が野村総研より出されています。
ロボットや人口知能が人の代わりに仕事をするようになった時代にそれでも残る仕事は
創造的な仕事、協調性が求められる仕事、非定型的な仕事などとされています。
人がこの世界をどのように捉えて、どう生きてゆくかという分野を扱う仏教は
個人的には今後の世界でもしばらくは置き換えが難しい分野だと思います。
人の心は多様であり、同じときに同じものをみても反応が異なるのが人です。

ロボットや人工知能の作り手とその利用者2016219153852.JPGの間でどのように社会が作り直されてゆくのか考えてゆく必要があると思っています。機械化の結果、物やサービスの値段は今よりもさらに安くなることでしょう。雇用は機械ができないこと以外は一旦減ると思います。
ベーシックインカムなどの新しい社会保障も大多数の人が機械に勝てなくなり格差が広がる社会では必要になってくるかもしれません。
仕事というものが多くの人から手放されたとき、人は何をもって幸せを感じるのか?
何を生きがいにしてゆくのか、そういった社会では人の心の問題はより一層価値を増してくると見ています。
最低限食べてゆけるだけでは人は幸せになりません。幸せは物事の捉え方で感じるものです。幸せを自分で作り出すことができる心の教育に仏教を役立てていきたいと思っております。

社会の常識が書き換わるとき、人は多くの不安を抱きます。先が見えない、見通しがつかない、そういった状況は大きなストレスになると思います。こういった状況では仏教による人についての原理・原則から、新しく起きてくる現象をみてゆくと迷いが少なくなります。技術は進歩しても人は人のままです。世界に働く法則が変わるわけでもありません。2500年前も今も揺らぐことの無い視点から今、新しく起きてきている社会の現象をみてゆくと違った姿も見えてきます。多くの方に時代や国境を超える仏教の普遍性を学ぶことで変化の大きな時代を見通す灯火を得ていただけたらよいと願っております。(道陽)