形と中身

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上手くいった形は多くの人に研究され真似されます。ひとつのヒット商品や成功モデルは同業他社にミートされ似たような製品や仕組みが流行ります。多くの場合、ミートした製品やモデルは最初に作り出したオリジナルを超えることが少ないです。 目に見える部分での形や機能ではほぼ変わらない性能を出せるように作り、価格も安く、手ごろになっている。良いところばかりのような気もします。 何が違うの?と考えてゆくと目に見えないコンセプトや開発の過程で実際のお客様の問題を解こうと試行錯誤した回数などが違います。

速く結果を出そうとすると上手くいった形を取り入れてとりあえず同じようなものを作ろうとします。 これが行き過ぎると形はそっくり、中身は別物、働きは出ないといったものや仕組みが大量に出来上がります。人の簡単に早く上手くいきたいという心が作り出す現象です。でもたくさんある類似品は上手くいきません。

私は世界の上手く行く働きを例えるとシーソーのようなものだとよく話します。たくさんあるほうは上に上がらない。少なく価値のあるものしか浮かび上がらないと言っています。良いものであってもたくさんあれば当たり前になります。面倒で手間のかかる開発をやるとそれをやる人は少数になります。 目に見える部分だけを追いかける人は多数いますが、目に見えない心や法則から現実を組み立てる人は少数になります。優れてよいものが少数になったとき初めて大きな価値が出てきます。

仏教の考え方はいろいろな学びに繋がります。教養として学んでいただけたら知恵がつくことにお役に立てるのではないかと思っております。(道陽)