永代供養の「意外と勘違いされている常識」って何?

永代供養が現代になって非常に強い関心となってきています。意外と勘違いされている常識とは、永代供養のお布施が高いというものです。

永代供養の背景としては、

・子供が引っ越しして遠くにいってしまった。
・子孫に供養の負担を残したくない。
・自分一人になっていて関係者が残っていない。
・孫や子孫が当てにならない。
などなど。

そういう声を聴いて一部のお寺が始めたのが永代供養というものでした。

大雑把には、お寺が皆様に代わって定期的にご供養をするという契約です。これは、のちに大変人気の考え方になっていきます。上手く活用できればお墓の問題が解けて楽になるからです。しかし、永代供養と一言にいっても基準は極めてあいまいなのです。

よく当寺にお墓の相談に来られる方がこう言うことをおっしゃいます。近くの檀家寺さんに永代供養をお願いしたら「100万円以上はかかる」と言われましたと。なるほど、確かに場合によってはそれでも安いのかもしれません。なぜならば、そのお寺さんが言っている永代供養とは年間3万円以上の法事を33年分一括で支払うという永代供養の形式だからです。法事で毎回5万円以上支払っている檀家さんなどならば、お得に感じるのかもしれませんがほとんどの方にはちょっと厳しい金額だと思います。

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それで「どうにかなりませんか?」という相談を受けることが多々あります。

法事が極めて高額になる理由としましては、
・お寺が大変立派
・法事にたくさんのお坊さんが出仕する
・有名な住職さん

などの理由で実際に経費が掛かっている場合です。逆に言ってしまえば上記のような条件を満たさず永代供養を手が届く内容にすることは十分に可能なことでもあります。

・お寺は必要最低限の規模
・合同供養で負担をかけない
・ボランティア精神がある

こういったものであれば、33年分一括で100万円などといった永代供養ではなく、お寺の維持管理に合わせた無理のないご供養なので丁寧かつ必要最低限のご供養が永代に行われる体制が続くかと思います。当寺は、お墓の代金の中に永代供養が含まれています。もちろん、33年という縛りもございません。

余談ではありますが近頃、お墓の見学にお見えになられた方々から「こちらのようなお寺が増えたら日本は素晴らしくなりますね」とよく言っていただけるようになりました。元々の仏教は人が幸せになるために学ぶもの。私たちは皆様が当寺に接することで、豊かで自由な人生になるようにお手伝いをさせていただくのが本当の仏教だと思っています。お布施の額や、お寺とのお付き合いで苦痛を与えるようでは私たちのやりたいことの真逆になってしまうのです。

樹木葬を始め、手元供養、海洋散骨、宇宙葬、ダイヤモンド葬などのさまざまな故人との付き合い方が生まれる中で、なにが本当に必要なものなのかというのをしっかりと見極めていきたいものです。正しいご供養は人を豊かにしていくものでもあるのです。(住職)