型破りなお坊さんが語る「ブッダ」の本当の意味とは?

ブッダとは正確には「目覚めたもの」というインドの言葉です。何に目覚めるのかというのが仏教とも言えます。

自分は仏教を教え続けて20年以上になりますが、学生時代に感じていた仏教と今教えている仏教はかなり異なります

学生時代に習った仏教は、いや宗教は主に真言宗という宗派の教えでした。今でも素晴らしい教えであると思うのですが、平安時代に合わせて仏教を加工してあるので平安時代の説明が増えてしまいます。現代の方々に仏教の本質、使い方などを教える際には加工前の基本から教えた方が理解がぐっと早くなるというのを実感しています。

気が付けば自分は、海外の方を含め子供、大学生、社会人、管理職、医者、技術者、社長、上場会社の創業社長まで本当に幅広く仏教の話をするようになっています。幅広い価値観を縦断する話し方をしなければならない為、より普遍的な法則性のある話が求められるわけですが、ここで宗派の話は不向きです。とはいえ、多くの方が仏教をどこかで学ぼうとするとお寺さんから聞くことが多いわけですからなんらかの宗派のお坊さんに聞くことになり、まず宗派の話から入ってしまうことが多いのです。

そうでない場合は読書で独学することになりますが、これも極めて習得は難しいです。理由は、広く深すぎるのです。歴史があまりにありすぎて色んな説が入り乱れ真逆の事が多々書いてあります。学べば学ぶほど混乱が加速し、最後にお寺に相談にいくという状況をよく見かけます。

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ここまで書いて今更なのですが、

仏教とは学ぶのはそんなに難しいのでしょうか?

その答えに関しては「いいえ」と答えます。

 

では、誰にでも仏教は使いこなせますか?

という問いには「はい」と答えます。

 

ならば、仏教を極める事や悟りを得ることが出来ますか?

という問いに対しては実践で使ってみて効果がしっかり出せるならその問いに

「意味はないです」と答えるでしょう。

 

今から仏教を本格的に学んで生かしたいという人に一言いうならば、始まりを理解することが大事と伝えておきます。仏教は一言に歴史が積み上がり過ぎていてシンプルな哲学の部分が覆い隠されています。始まりは、哲学であったものが時間をかけて純粋な宗教になっているのです。その事実に気づいて仏典を読むのと知らずに読むのでは結論が変わってしまいます。

宗教的結論は、神や仏にすべてをゆだねなさいという結論になりますが、哲学的結論は、世界は因果応報で原因と結果がしっかり証明できる世界となります。後者は学んで再現できる世界ですが、前者は神秘に身を委ねることになります。ただし、誤解をして欲しくないことを言えば、この変化は時代に求められて起ったもので無駄だというものではありません。あくまでどの人にどんな仏教の加工が必要かというのを問うているのであってどちらが正しく、どちらが良いというような次元の話ではないのです。

ただし、学んで実践して人生を変えていく、あるいは社会の問題解決をするという観点では哲学的仏教の優位性が高いのではないかと自分は考えています。お釈迦様が因果応報と言っている根拠は原始の経典を熟読することで理解できるはずです。この経典では神秘の世界についての比率は極めて低いのです。

仏教の哲学的要素を一言にわかるように言い換えれば「心の学問」といえるのではないかと思います。厳密には心に関する法則を使いこなす為の教えというべきでしょうか。人の心が現実に影響を与える部分はとても多いです。

「己れこそ、己れの主人である。己れこそ、己れの拠り所である。馬商人が良馬を制するように己れを制するがよい」ブッダの言葉 ダンマパダ引用

この表現自体、宗教的解釈との相違を感じれるのではないでしょうか。

また、人の悩み苦しみの本質を執着と見たうえでその扱いを論じているのも仏教の論理的側面の証明だと思っています。

「子供がいる人は子供について苦しみ、牛を飼っている人は牛について苦しむ。執着の対象がある人は苦しみ、執着する対象がない人は苦しまない」ブッダの言葉  スッタニパータ引用

仏教的ものの見方は様々な困難や課題を解決すると自分は思っていますし、実際に解決してきました。この法則性に気が付いていない人のお釈迦様は常にこの言葉を投げかけているのです。

「目覚めよ、眠っていて、どんな利益あろうか。」ブッダの言葉 ダンマパダ引用

仏教の深い部分を語り始めれば、少し時間がかかってしまいますのでご紹介はこの辺りにしておきましょう。詳しい話をもっと聞きたい学びたいという方は、自分に予約を取ってくださればお時間の許す限りお手伝いをさせていただきます。案外、悩んでいたことも人に聞けば一発で解決するということは多々あります。仏教の法則から見た人生のアドバイスは自分のもっとも得意とするところです。(住職)

 

最後に独学で学ぶ人に、参考にすべき書籍、サイトのご紹介しておきますね。


原始仏典 (ちくま学芸文庫) 中村元 (著)
 

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仏教経典を片端から読破するのはあまりに大変だが、重要な教えだけでも知りたい―本書は、そうした切実な希望にこたえるものである。なかでも、釈尊の教えをもっとも忠実に伝えるとされる、「スッタニパータ」「サンユッタニカーャ」「大パリニッバーナ経」など、原始仏教の経典の数々。

・かなり難解ですが、お釈迦様の性格、ものの表現、問題を解くものの考え方の基礎が満載です。ここを抑えずに仏教を語ることは不可能とも言えます。時代を思い返しながら少し頭を柔らかくしないと矛盾が出来てしまうかもしれない経典です。

 

仏教ウェブ入門講座  仏教の教えを無料で学べる総合サイト

・一般的な仏教の解釈を非常に細かく無料でサイトに公開しています。書店で手に入る仏教関連のテーマについて書いてあるので独学で仏教を学んでいる人にはたいへんしっくりくるのではないでしょうか。

 

いちばんやさしい ブッダの教え 田上太秀 (監修)

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ブッダの生い立ちから、悟りを啓き、現在につながるブッダの教えがまるごとわかる1冊です!あなたも本書でプチ悟りを啓いてみませんか?

・仏教の歴史や、専門用語の解説などではとてもわかりやすいく、挿絵もたくさんあるので分かりやすくまとまっています。本当に入門書としてはお薦めできます。弱点としては、実践的に使おうとすると原点からだいぶ離れた説が多いので難しい部分が出てくるところです。

仏教を本格的に学ぶことが出来るお墓 天空陵

・天空陵は金剛宝寺が管理しているので、法事やお参りの際に無料で法話しています。もちろん、法事の話だけではなく人生の様々なシーンに対してのアドバイスや仏教を学びたい方の手助けもしています。一生分、仏教を学びたい方には長い付き合いがお薦めです。