不安な時代こそやるべき事

 例年、この時期になると冬の大祭である星祭りの儀式について語っております。とはいえ、今年はコロナ禍の中で様々なことを考え直させられる一年でしたので語る内容も少し変えようかと思います。

 古来、宗教者は祈りを持って一般の方々の不安を軽くするという役目を担ってきました。コロナ禍のような混迷の時代に於いて、祈りの必要性が高まっていることを感じますが、仏教の祈りは宗教的要素だけではありません。

 因果応報と言っているようにしっかりとした原理原則があってのものです。星祭りという儀式もそういった論理的部分と、神仏の御加護という二つの要素が組み合わさって祈りを捧げる人の問題が解決すように設計されています。

 また、星祭りは自分の生まれ年を供養することで運命を変えるというものですが、人生はその人が普段、無意識に思っていることが形になり、世界はそれを受け取り返されたもので決まります。心に良いことを思い、その良いことを他者に実践し、また、それを受け取ることが人生なのです。

  すべての行動の始りである人が“無意識に思う”という部分に、的確に迫ることで運命を良い方向に変えていこうということが星祭りの最も重要な部分です。

 

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 人は年の初めや節目の月、節目の日等、気持ちを新たに、以前の自分とは違う人生を目指して志を持ちます。それこそが、運命変える重要なきっかけとなるのです。同時に、星祭りでは世の中の未来に対する不安な気持ちを神仏の御加護で軽くし、日々を平穏に過ごせるよう祈りも捧げております。

 こんな時代ですので生きていく上で様々な課題や不安等があるでしょうが、それこそが“自分の魂を磨くきっかけ”であると、すべてを受入れた上で乗り越え、感謝していくことがとても大事なことだと思います。幸福も不幸も自分の心が見せる影です。  

 しっかり自分の心を見つめて良い人生にしていきましょう。         ( 住職 )