お坊さんが伝える「文通とメールの違い」からわかる意外な事実

文通とメール、現代人であればほとんどの方がメールを選択します。へたをすれば、メールすら使わずSNSかもしれません。

必要なことを伝えるだけであれば、スマホで手軽に閲覧でき素早く内容を理解できるSNS等の最新アプリの方が人をより楽にするので利用者は圧倒的増えるのです。しかし、ここで考えなくてはならないのが人の心の性質です。人という存在は、希少価値というものを喜ぶ性質があるのです。いわゆる「有難い」という言葉が示すように「なかなかない事」だから感動すると言えます。

現代でもし、大事な人に最後に言葉を残すという場面があるとしたら多くの人が自分の手で書いた文字を選ぶでしょう。そこには様々な感情が込められていて相手に伝えたいことがただ読むだけの文字以上に沢山の気持ちが伝わるものです。

一字、一字、魂を刻むが如く想いが込められている手紙は見るものを深く感動させることでしょう。

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確かに多くの人にとっては、

便利=楽 なのですが

見方を変えれば、

自分が楽出来た=受け取る相手にとって中身が軽い

とも言えます。

これは仏教で説かれる「楽は苦である」という本質の話に繋がっていきます。他人が喜んでこそ、自分が楽になっていくという事実から基づいた考え方ですがいつの時代でも変わらない社会の本質なのです。

また「文通とメールの違い」はこれからさらに進んでいく文明の本質を表わした関係とも言えます。

人が楽になるのは最先端の文明、人が人を感動させるのは人が手をかけ苦労した感情的な部分

どんなに時代が進んでも人の世の中で本質が変わらないものは沢山あります。世界を正しく見ていくことで未来の社会の姿を予見することが出来るのも仏教の特徴です。これからSNSはもっと進化して、最後には頭で単語や物事を考えただけで自動的に文章化され相手に瞬時に伝わるような時代が来ることでしょう。そうした時代を適切に生きていく為にも、人の本質について学んでみるのは大切なことかと思います。(住職)