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永代供養

プロが語る、樹木葬とは樹木を墓標にしたお墓


石塔ではなく、樹木を墓標とした樹木葬が注目を浴びています。
全体的な数で言えば、まだまだかもしれません。
しかし、寺院や民営霊園だけでなく、公営霊園でも樹木葬の取り組みが始まっていることからも、その期待値がうかがいしれます。
東京都の都営小平霊園に設けられた樹木墓地と樹林墓地は、毎年多数の申し込みがあり、高倍率の抽選になってしまうことがニュースで報道されるほどです。
なぜ樹木葬が注目されているのか。
そして実際に樹木葬にはどのようなメリットとデメリットがあるのか。
この記事では、そんな樹木葬について、丁寧に考えていきます。

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【樹木葬の基本は、埋葬と植樹】
 
樹木葬は、土の中に遺骨を埋葬し、その上に苗木を植えます。
従来のお墓では、埋葬地に大きな石塔を据え、お墓が傾かないように土の下の基礎工事まで行いました。
樹木葬ではそこまで大掛かりな工事は必要ありません。
ただし、樹木葬の中でも、「カロート」を用いることもあります。「カロート」とは、遺骨を納めるために四方を石で囲った空間のことです、その中に遺骨を埋葬します。
 
【樹木葬が注目されている理由】
 
樹木葬が注目されている理由には、現代社会のライフスタイルの変化が大きく影響しています。
 
●子のない世帯の増加
これまで、親や先祖の供養は子や孫の務めで、その象徴こそがお墓でした。
しかし、子のない家や単身者世帯が増加しています。
仮にお墓を建てても、いつかは墓じまいをしなければならないことが分かっている人は、はじめからお墓の建立を躊躇します。
半面樹木葬であれば、墓じまいの際の手間や費用を限りなく抑えることができます。
 
●環境問題への意識
樹木葬は自然に優しい埋葬の方法です。
従来のお墓では、石材の採掘のため、そして墓地の造成のために、山を切り崩さなければなりませんでした。
樹木葬ではこうした環境破壊をせずに遺骨を埋葬できます。
 
●自然に還れるという安心感
骨壺をカロートの中に納めるだけでは、実は遺骨は土に還らずに、ずっと骨壺の中にあるままです。
樹木葬では土の中に遺骨を埋葬します。
時間をかけて土に還ることで、大自然の営みの中に自身の死後を託せます。
また、カロートを用いる樹木葬もありますが、33年などの一定期間を過ぎると合葬にされ、土に還ります。
 
 
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【樹木葬の種類】
 
ひとことに樹木葬と言っても、いくつかの種類に分けられるのをご存じでしょう?
 
●里山型
里山型とは、自然の山の中に埋葬する方法です。
墓地として認められた山の中て、利用者に個別に区画が割り当てられ、その中で埋葬し、植樹します。
広大な山林を必要とするので、都市部では見られません。
里山型では墓石やカロートなどの人工物を一切使用しません。埋葬地に草木や草花を植えます。
樹木葬のはじまりは、岩手県一関市の祥雲寺だと言われております。本来の樹木葬のあるべき姿はこの里山型に見られるでしょう。
草木や小動物などが集う山林という自然生態系の中に、私たち人間の死後を託すことに大きな意味を見いだせます。
ただし、樹木葬の中でも里山型は少数派です。
寺院側としては、山林を「墓地」として認めてもらう手続きが必要です。
さらには、家族からするとお参りまで距離があったり、墓域内の手入れが大変だったりと、デメリットもあるようです。
 
 
●霊園型
 
霊園型は、一般的な霊園の中に設けられた樹木葬墓地です。
樹木葬と呼ばれている大多数はこのタイプです。
石塔の代わりに樹木を植えるだけで、ほとんど従来の霊園と同じと思えばいいでしょう。
さて、石塔のお墓が、家族墓や合祀塔などに分けられるように、霊園型の樹木葬もいくつかの方法に分けられます。
 
(1)個別の樹木葬
個別に割り当てられた区画の中で、埋葬と植樹をします。
 
(2)シンボルツリー
大樹のまわりに複数のカロートが設置され、その中に納骨をします。
埋葬は個別ですが、礼拝は共有の樹木に行います。
 
(3)合葬
合葬とは他の人の遺骨と同じ場所に埋葬することです。
埋葬地も共有し、礼拝も共有の樹木に行います。
 
【樹木葬のメリット】
 
樹木葬のメリットをまとめると次のように言えるでしょう。
 
●墓石よりも安く済む
お墓を作るためには、墓地を取得し、墓石を建立しなければならず、総額で200万円から300万円くらいかかると言われています。
一方、樹木葬では100万円を超える例はあまり聞かないです。
樹木葬では、墓地の永代使用料以外は植樹をするだけなので、費用を大幅に抑えられるのです。
 
●ゆくゆくは永代供養をしてもらえる
ほとんどの樹木葬墓地では、お参りの人がいなくなったあとは永代供養として受け入れてもらえます。
石碑を建立しないために、墓じまいのための手間や費用は必要ありませんし、遺骨は合葬してもらえます。
 
●自然志向への共感
樹木葬は、無駄な環境破壊をせずに、自分自身も大自然に還れるという点で、二重に自然志向の供養法です。
ただし、現実は霊園型の樹木葬が多く、カロートや石板を用いますので、人工物を全く用いないわけではありません。

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【樹木葬のデメリット】
 
一方、樹木葬にもデメリットがあります。それらを列挙いたします。
 
●亡くなった人や先祖とのつながりが感じづらい
従来のお墓に石が用いられたのは、その耐久性と堅牢性によります。
世代超えてもそこにい続ける石だからこそ、私たちは先祖とのつながりを託してきたのです。
石に比べると、樹木は耐久性や堅牢性という点では劣るでしょう。
樹木葬のお墓の前に立って手を合わすときに物足りなさを感じる人もいるかもしれません。
 
●墓地が荒れやすい
従来のお墓でも、雑草の手入れは家族を悩ます種のひとつでした。
たまにお墓参りに行くと、墓地を覆いつくすほどに雑草が伸びているものです。
樹木葬の場合は、自生する草木に加えて、礼拝の対象となる墓標も樹木です。
さらに、里山型の場合は山林が墓地ですから、余計に墓地が荒れやすくなるでしょう。
 
【あととりのいない人には樹木葬がおすすめ】
 
自分の死後を託す人がいない場合、樹木葬がよいのかもしれません。
お参りの人がいなくなったあとは、寺院が永代供養してくれます。
ずっと放置された無縁墓のようなことにはならないでしょう。
ただし、もしも死後を託す人、子や孫がいる人は、慎重に考えましょう。
私たち人間は、亡くなった人を胸に感じながら生きていく生き物です。
お墓は、大切だった亡き人や、自分のルーツである先祖を感じられる場所です。
「安いから」「楽だから」という理由で樹木葬を選ぶのはとても危険です。
自分自身がよくても、遺された人たちに真に喜びを与え、納得をもたらす方法を考えましょう。
 
文責・十村井満

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